男女を問わず在宅ワークの方が増え、以前なら勤務先や通勤途中で歯科治療のための通院をしてきた方の来院が多くなりました。来院時には比較的時間に余裕があるせいか、色々お悩みなどお話がきけ、普段とはちょっと違う系統の処置をする事が出てきました。「犬歯の歯茎が痩せてきて歯が長く見えるようになってきてしまった。冷たいものがしみる」という事でした。
歯肉移植にて露出歯根面の被覆により対応しました。小手術を行う抜本的な解決法で歯肉退縮を改善できました。
カテゴリー: 口腔外科
歯を抜いたままにしておくとどうなる?
歯を抜いたままにしておくと、かみ合っていた反対側の歯や隣の歯が動いてしまいます。
ではどれぐらい動くか?ケースバイケースですが一例としてこのような症例がありました。
上の歯を抜歯後約2年経過して、下の歯(矢印の歯)がレントゲンではっきりわかる量、
およそ2ミリほど挺出しています。
これだけ動けば、噛み合わせに悪影響があるだけでなく、食べ物がはさまりやすくなったりして
虫歯や歯肉の炎症の原因となったりします。欠損が次の欠損の呼び水になる、まさにそんな状態です。
右の状態もよく観察すると既に矢印の歯は手前の歯より飛び出してしまっています。
きっと上の歯の根管治療からクラウン装着完了までの間に起きたのでしょう。
これが抜歯原因の歯根破折を起こした、大きな理由の一つとなっているのです。
そのようにならないために仮歯の装着や、動いてしまった分の噛み合わせの調整が必要になるのです。
ずいぶんと地味で手間がかかり重要な処置なのですが、なかなか理解されない様ですね…