歯を抜いたままにしておくと、かみ合っていた反対側の歯や隣の歯が動いてしまいます。
ではどれぐらい動くか?ケースバイケースですが一例としてこのような症例がありました。
上の歯を抜歯後約2年経過して、下の歯(矢印の歯)がレントゲンではっきりわかる量、
およそ2ミリほど挺出しています。
これだけ動けば、噛み合わせに悪影響があるだけでなく、食べ物がはさまりやすくなったりして
虫歯や歯肉の炎症の原因となったりします。欠損が次の欠損の呼び水になる、まさにそんな状態です。
右の状態もよく観察すると既に矢印の歯は手前の歯より飛び出してしまっています。
きっと上の歯の根管治療からクラウン装着完了までの間に起きたのでしょう。
これが抜歯原因の歯根破折を起こした、大きな理由の一つとなっているのです。
そのようにならないために仮歯の装着や、動いてしまった分の噛み合わせの調整が必要になるのです。
ずいぶんと地味で手間がかかり重要な処置なのですが、なかなか理解されない様ですね…